伴奏者としてスイスのコンクールへ行ってきました。

寒くなったり暑くなったり安定しない天気が続くミュンヘンよりこんにちは。

9月末、スイスのモントルーという街で開催されたライオンズクラブ・ヨーロッパフォーラム2017。
世界各地からライオンズのメンバーたちが大集合するこのイベントの一環として音楽コンクールがあり、そこへ公式伴奏者として参加してきました。どきどき!


ヨーロッパ各国から一人づつ選出された代表がファイナルラウンドに出場できるというしくみになっており、前年のクラリネット部門に続き今年はトランペット(ちなみに来年はフルート)。参加者の滞在費もすべてライオンズ持ちらしく、皆さんもちろん自国代表を応援するのでなんだかオリンピックのような雰囲気でした笑。

審査員もFrits Damrow、Anthony PlogそしてImmanuel Richterと超豪華!

ファイナルラウンドとはいえ、その中で一次・二次そしてファイナルまであり、しかも一次と二次は一日で行われるという結構過酷なスケジュール。

公式伴奏者は私を含めて3人。各自6人ずつ担当しました。

曲目は多くなかったのですが、一次の課題であったPeskinのトランペット協奏曲からの一楽章、これが結構厄介でした。。。

そもそもPeskinてだれだろー?そんな作曲家聞いた事ない笑!ので調べてみると、どうやらロシアの作曲家で、スタイルもラフマニノフを髣髴させる(というかパクリかと思うくらいそっくり笑)感じのこの曲。 ※詳しくはこちら→ウラディーミル・ペスキン
トランペット奏者にとってもかなりの難曲らしいです。
確かにフレーズの息のながーい感じ、息継ぎたいへんそうだなーと譜読みをしていて思いました。
ユーチューブの音源を聴いてもみんなそれぞれテンポの差がかなりあり、その上頻繁にでてくるルバートやリタルダンド・・・かといって様々なテンポに即座に対応できないわけにはいかないので、色々な状況を想定して必死にさらいました。

そしてもう一曲、別の意味で大変だったのはエネスコのレジェンド(伝説)。こちらは室内楽の曲なので、ピアノの間奏などあちらこちらに難関なパッセージや、デュオとしてのアンサンブル力が求められるような箇所もあり・・・・こちらもユーチューブさまさまで、いろんな音源を聴いてはさらい、そしてオペラのコレペティではよくある、トランペット譜を弾き歌いできるくらいまでさらいました。笑 歌詞がないだけ大分かんたんですねー笑

最後はハイドンのトランペット協奏曲。まぁこちらは古典なのでなんとか・・・・とはいえ古典を舐めていると本番で危険なのでやはりしっかりさらっておきました笑

出場者とのリハーサルは前日各自一時間。
とりあえずみんな最初にPeskinをやったのですが、いやーテンポはみんな恐ろしくちがう!爆 息継ぎの箇所も微妙にちがうし、さらには間奏も二種類あり(カットバージョンとカットなしバージョン、しかも音もなんだかちがう笑 親切なイタリア人出場者にもうひとつのバージョンの楽譜をもらい、難は逃れた・・・・)、少々パニくりました。

一時間みっちり細部まで合わせる人もいれば、一回通しであわせて大丈夫ーもういいよ(いいのか・・笑)ってな感じの人もいて、さらにおもしろかったのが、途中で吹かずにメロディーを大声で歌い始める人がいたこと。笑 疲れたんだーごめんねー、 ということでしたが、トランペット吹いてると歌いたくなるんですかね?笑

そんなこんなで夜10時ごろまで皆さん練習されていて、その所為で頭の中から音楽が鳴り止まず眠れなかったのですが、次の日は朝9時(!)から一次が始まるということで6時半に起きてヨガしてシャワーを浴びて無理やり目を覚まし本番。
同じ曲を続けて6回弾くのは集中力キープが大変でしたが、皆に気持ちよく吹けたよーと言われたら疲れも吹き飛びました。
その後二次はソロの人もいたので伴奏は4人のみ。

私の担当からは一人ファイナルに進み、とりあえずほっと一息。その日の夜には湖を散歩してライオンズ主催の晩ご飯に行ったり少しだけのんびりできました。

至る所に彫刻が・・・





のどかーな風景
次の日もホテルを8時半に出発し会場へ。
出番前に少しだけ合わせ、細かい部分を調整。ポルトガル人のカルロスくん、一次のときよりも調子は万全のようで、本番も最初の一音から最後の音までこれぞ魔法の音!な音楽を奏でてくれて、私も同じ空間を共有できて幸せでした。
舞台上でハグされたのは初めてで、少々びびりましたがうまくいったのが嬉しかったのでしょうか。さすがラテン系。笑

結果は優勝!私まで自分のことのように嬉しかったです♪ また一緒に演奏できたらいいな・・・♪

プライベートでコンクールに同行するときは事前に合わせもしっかりあり、それはそれで責任重大ですが、今回のように短時間でぱぱっと合わせていく仕事もかなりの集中力が必要で、胃が痛くなったりもしましたが本当にやりがいがありました。
これだから伴奏の仕事はやめられません!!笑


































































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